てのひらを重ね星に祈る
浜辺に2人腰を下ろして夜空を見上げながら、そっとお互いの手を絡ませる。
繋いだ手はスガタのほうが僅かに冷たくて、けれどその掌から愛しさが身体中に広がっていくようで、タクトは暖かい気持ちになる。
「なあタクト、僕は今凄く満たされてると思うんだ」
「なに、突然」
タクトがスガタに視線を合わせると、スガタは満足げな笑みを浮かべていた。僅かに、絡む指に力がこもった気がした。
「おまえが、タクトがこの島に来て僕と出会って、いつの間にかお互いを大切に思うようになって、僕はタクトを愛するようになって、タクトも同じように僕に愛をくれた」
「うん…そうだね。スガタが僕のことを好きだって言ってくれたとき、凄く嬉しかった。もう、スガタのことが愛しくてたまらない気持ちが爆発寸前だったよ」
そのときのことを思い出したのか、タクトはクスクスと笑い出す。つられてスガタも思い出したようで、優しい瞳でタクトを見つめた。
「僕も、今凄く満たされてるよ。スガタとずっとこうしていたいと思う」
「できることなら僕だって、同じ気持ちだ…」
一瞬眉をひそめたスガタは、タクトから視線をそらしてしまう。俯いてしまったスガタの表情は、タクトにはわからなかった。
「なに、言ってるのスガタ。僕はずっとスガタと一緒にいるよ?」
「タクト…」
困惑したようなタクトの声に、スガタは胸がずきりと痛んだ。本当は、こんなこというつもりじゃなかったし、言わせるつもりもなかった。タクトにあんな顔をして欲しいとは思っていないから。
「スガタ、あのさ…僕はスガタが何を考えているのか全部分かるわけじゃないし、きっと理解できないと思う。それは違う人間だから仕方のないことだと思ってる。けどね、僕は誰よりもスガタのことを好きでいる自信があるし、気持ちを知っていたいと思うんだ」
絡めていた手はそのままに、身体をむき合わせるようにしてきたタクトはスガタを正面から抱きしめた。
優しく背中を撫でる手は暖かく、スガタの涙腺を緩ませた。
「大好きだよ、ずっとそばにいる。スガタが嫌がったって、僕は譲らないよ。終わりまで、離さない」
人生の終わりまで。
タクトは背中を撫でていた手を、そっとスガタの手に重ねる。砂が爪に入り込むのも気にせず、スガタの手を上から包むように力を込めた。
お互いに引き寄せられるように唇を重ね合わせると、スガタが零した涙の味がした。
「僕も…離れたくない、タクト…」
祈るような気持ちで囁いて、再び唇を重ねた。
END
[タクスガ]に戻る
[INDEX]
|