いうことをきいて


 「タクトは僕が言ったことを、聞いていなかったのか?」
 「えっいや!聞いてたよ、聞いてたけどっちょっと!」
 突然「セックスしたい」と眼前に迫るスガタに、タクトは必死にどうしてこんなことになったのか記憶を辿ってみるがまったく心当たりがない。
そうこうしているうちにも、頬を薄っすら赤く染めパジャマの前をはだけさせたスガタがベッドに仰向けに倒れているタクトの上にのしかかってくる。ズボンと下着は既にベッドの下だ。
キスができるほどに近付いた唇に、タクトはゴクリとツバを飲み込んだ。
そこで気付く。
なにやらスガタの呼吸がいつもよりも荒く熱を持っている。
 「まさか……またなの!?」
 もうほとんどキスをしていると言っても過言ではない程に唇が触れ合う中、いつも湯上がりに用意されているグラスの中身を飲み干したスガタが思い出される。
 以前、メイドたちが誤ってアルコールを出してしまったことがあり、その際もスガタは普段からは想像もつかないほど大胆にタクトを求めてきたことがあった。
その時のスガタと、今まさに腹に跨りタクトのパジャマのボタンを外しているスガタが酷似している。
 「ス……スガタさーん、ちょっと!はやまらないで!!」
 「お前好きだろう、騎乗位」
 「きじょ……っ!」
 「好きだろう?今僕は凄く気分がいいんだ。……特別に僕がリードしてやる」
積極的なスガタさんエロい!なにこの色気!いや今はそんなこと喜んでる場合じゃなかった!
気付けばスガタは最後のボタンを外し終えたところで、その熱い吐息がタクトの胸に直接かかる。
 「んっ……ちょっとスガタ、ほんとにストップ!」
先ほどまでは動揺し過ぎていて抵抗らしい抵抗もできずにいたタクトも、状況が分かれば多少の冷静さもでてくる。
空いていた両腕でスガタを体の上からどかそうと………………して、失敗した。
 「あれ」
キョトンと再び状況が把握できなくなったタクトはピタリと動きを止める。
その間にもスガタはタクトの胸を舐めたり首筋に吸い付いたりしている。
 「って、ええええええええええーー?!いいいつ縛ったの?!」
 いつの間にかしっかりとバスローブの紐で一つに縛られた両腕を、タクトは驚愕の表情でみた。おそらくは自分が動揺している隙をつかれたのだろう。さすが酔っていてもスガタである。
いや感心している場合ではない。
 「さっきっからうるさいぞタクト。気持ち良くなりたくないのか?」
胸から顔をあげたスガタの表情は優越感に満ちている。月明かりに浮かび上がる熱を持った身体に、タクトも息を乱しはじめる。
 「えと、いや、なりた……だからー!」
 「タクトは、僕と気持ちよくなるのはイヤなのか?違うだろう?大好きなんだろう?ほら、ここ、かたい……」
後ろ手でつつっとそれをなぞられ、一瞬息が詰まる。
触れられたことで更に大きさを増したそれに、スガタは唇を舐める。潤んだ瞳に高揚した頬。はぁ、と吐き出された息は色気すら感じる。
 「今日は僕の好きにするからな……ここも、お前には触らせない」
ここ、と言ってスガタが両手を滑らせたのは、先ほどからタクトの目の前で昂ぶっているそれ。
 「ふっ……ん、んっあっあ、」
タクトの腹の上に跨りながら己のそれを上下に擦り、普段なら堪えようとする声もそのままに、スガタはどんどんその行為に夢中になっていく。
 「たくと、たくとッあ、ぁっあ!は、ぁあ」
太ももに力がこもり前のめりに、ほとんどタクトの腹筋に擦り付けるようにしてスガタは絶頂を味わう。
そのまま覆いかぶさるスガタに、腹に感じる生暖かさと彼の身体の熱さを感じて、タクトは興奮に荒くなった呼吸を整える余裕もない。
  「ふ、んっ……はぁ……ぁタクト、僕の中に、入りたいんだろう?」
「スガタ……スガタいれさせて」
ここまでされてはタクトに拒否権などない。ただもうこのまま流されるだけだっ。
 「タクトは素直だな……僕の後ろ、舐めろよ」
 「スガタ……」
膝立ちのままタクトに背を向けると、そのまま顔の上に腰を下ろし、蕾にタクトの舌を感じて吐息を漏らす。
 「ん、っん、スガタ!」
震える脚で僅かに腰を浮かせると、できた隙間を埋めるよに今度はタクトから顔をうずめ蕾から袋、その間に舌を這わしていく。
精液と唾液でベトベトになった尻を、タクトは夢中で舐めまわし、ちゅっとあちこちを吸い上げる。
 「あっあ、ぅあッあ、あー」
その度にビクリと震えるスガタの身体に興奮を覚え、タクトのそれも早くこの中に入りたいと限界まで張り詰めている。
じゅるじゅると音を立てながら舐め続けるタクトに、段々と耐えきれなくなったスガタはくったりとタクトの上に倒れてしまう。
スガタの頬をかすめるタクトのそれは、先の口をパクパクさせながら透明な汁をたらたらと流している。
 「ねぇ、ねぇスガタもういい?僕の、いれてもいい……?はあ、もう僕、我慢できないよ」
 「ん、」
目の前でひくつく蕾にめまいがしそうだ。タクトはスガタの返事を待たずに力ずくで上半身を起こすと、縛られて自由のきかない両手で器用にスガタの身体を起こす。
 「僕が、リードすると言っただろ」
視線だけ後ろを向いたスガタはそういうと、ベッドに両手をついてズルズルと前に進み、タクトの腰まで辿りつくとそのまま彼の昂りを、唾液と精液と、スガタの先走りでぐちょぐちょになりヒクつくそこに飲み込んでいく。
 「スガタ……ッ」
 「はっ、あっあっ……!」
ギシギシとベッドを揺らしながら必死に腰を揺らすスガタに合わせて、タクトも下から突き上げる。
 「だ、めだタクト……ッ今日は僕が、あっは、あっ」
飲み込みきれなかった唾液が口の端から漏れてしわだらけのシーツに吸われていく。
 「そんなの、ムリだよ……!だって、スガタ、気持ちよすぎて……んっ」
絶頂の近いタクトは突き上げるスピードを早めて、思い切り気持ちのいいところを擦りあげられたスガタが我慢しきれずに2度目の絶頂をむかえる。
 「あぁっあーッんはぁ、はあ……はあ」
 「スガタ……ッ」
それによってうねる中にタクトも思い切り精液を吐き出した。
 再びタクトの上にうつ伏せになるスガタに、タクトは乱れた呼吸のまま申し訳なさそうな声をかけた。
 「ゴメン……イった直後で申し訳ないんだけど、腕痺れてきちゃったから取ってスガタ……」
 「……悪いが、僕も今はムリだ……自力で頼む。何故だか物凄い眠気が」
 「えぇ?!嘘!!ま、ままって寝ないで?!僕縛られたままじゃ後処理もしてあげらんないんだけど!」
嘆くタクトをよそに、スガタは1人やりきった表情で夢の中へ旅立つのだった。
 「(最終手段はあの2人を呼ぶことになるんだけど……)」
そんなことできっこないと、タクトはどさりとベッドに倒れこんだ。
END



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