放課後準備室
楽器の影に隠れるように身を寄せ合ってキスをする。
軽いリップ音と甘い吐息が部屋を満たしていた。そのうち膝の力が抜けてしまったタクトがスガタに支えられながらその場に座り込んでしまう。
「ね…スガタ、本当にここで最後までしちゃうの?」
鼻から抜ける甘い声で言うタクトに、スガタはニコリと微笑んでみせる。
「あとさこれ、外してよ…」
スガタの手によって外されたタクトのベルトは、今は彼の手首にあった。
身体の後ろで両腕をベルトで一纏めにされているタクトは、床に座り込んでしまったせいで余計に身動きが取れなくなっていた。
脚の間にスガタが身を割り込ませてきて、そのまま覆いかぶさる。
周りを楽器で囲まれて正面からスガタに蓋をされ、両腕の自由まで奪われてはまるでスガタに閉じこめられてしまったようだとタクトは思った。
「別にいいじゃないか。外さなくても最後まで出来るだろう?」
くくっと喉で笑うスガタは楽しそうだが、タクトには意地が悪いとしか思えない。万が一、こんな状況の二人を見られでもすれば、両腕を縛られてしまっている分、合意の上とはみえないだろう。
そんな考えが顔に出たのか、眉を寄せるタクトをみたスガタはその唇を再び塞ぐ。
「ん…っ…ふ、ん」
「タクトは心配性なんだよ…まあでも、僕が襲ってるって思われたほうが、」
「はぁ、あ、そ、んなの、ぜんっぜん良くないからな!!」
唇が離れ、息も整えぬままタクトは口を開きスガタを睨みつけた。合意の上ではない、など例え顔も知らない他人でも思われたくなかった。
自分はスガタのことが好きだから、身体も心も許しているし、スガタもそうであって欲しかった。
「…ごめんタクト…そんなつもりで言ったんじゃないんだ。謝る…」
「わかれば、いいよ……だからこれ外してスガタ」
そういって後ろで縛られていた腕を顎でしゃくる。しかしスガタは残念そうに眉を下げた。
「縛られたタクトをみて興奮してたのに…」
「変態スガタ」
とんでもないことを言われ、タクトは悪態をつきつつも赤面してしまう。
「可愛い、タクト」
ちゅっちゅと頬にキスを落としながら、スガタはベルトをするりと外して床に置く。縛られていた箇所を優しく撫でるとその手をかわされ、タクトの両腕がスガタの首に回る。
そのままタクトからキスをされ、スガタはまぶたを閉じた。
「ふ…ん、ん、ぁ」
舌を絡ませあって深くお互いを貪っていると、スガタの手がタクトの下着にかかった。そのまま下に引かれてしまい、すでに固くなっていたタクト自身が外気にさらされる。
左手を首の後に回され顔を固定され、右手で自身を扱かれてしまい、タクトはたまらず伏せていた瞼にさらに力を込めた。
自由になったはずのタクトの両腕も、スガタにしがみつくことしかできない。
「あっぁ、だめスガタ、ダメだって…ぁッ」
いいところを攻められて、タクトは逃げるように顔を背ける。興奮して赤く染まった頬と涙ぐんだ目尻にスガタは段々我慢が効かなくなってくる。
「タクト、そのまま僕にしがみついてていいから、膝で立てる?」
「う、うん…あ、はぁ」
震える足で必死に起き上がり、スガタの腰をまたぐようにすると、先走りが自身を伝って床にぽつぽつと垂れてしまう。
俯いていたタクトはそれを目にしてしまい、視線を逸らそうとスガタを見上げようとして、彼の足の間、高ぶったスガタに気づいてしまい視線が外せなくなる。
それに気づいたスガタが、固まるタクトの耳元に唇を寄せると小さな声でささやいた。
「えっちなタクトみてたら、僕だって我慢できなくなる」
「ぁ…ッ」
スガタのいつもより低い声にゾクゾクと背筋が甘く痺れる。同時に溢れる先走りにタクトは羞恥心でいっぱいになった。
「だからほら、早く…僕を受け入れて、タクト」
いつの間にか下着も膝まで下げられていて、むき出しになったそこにスガタの指が触れ、ひんやりした滑りを感じて太股が震えた。いつ取り出したのか、蓋の開いたチューブが床に転がっていて、その滑りがローションだとタクトは気づいた。
「ほんと…スガタは用意がいいんだね…」
羞恥心の薄れてきたタクトは呆れ顔で笑う。
「そうじゃないと、お前がつらいだろう?」
言いながら指を中に押し込まれ、タクトはビクビクと身体を震わせる。
入り口を広げるように指を動かされ、ぐちゅぐちゅと音を立てるそこは段々熱を持ってスガタを迎えようとする。
「スガタッ…ふあ、あっスガタ…は、は」
スガタの肩に顔を埋めたタクトは熱い吐息をはきだして、その甘さにスガタはゾクゾクとした快楽を覚える。
早くと焦る気持ちを抑えこんで、自身を受け入れられるようにタクトのそこをほぐしていく。
「も、いい…いいから、スガタ、スガタ…!」
「タクト…ッ」
頬を摺り寄せねだるタクトにたまらずスガタは指を引きぬいた。中を犯していた指がなくなりきゅんと伸縮する入り口から、ローションがぬるりと前につたってくる。その感覚にタクトはぶるりと震える。
「腰、落として…ゆっくりでいいから」
左手でタクトの腰を撫ぜながら、器用に片手で前を寛げたスガタは下着をずらして自身を取り出す。タクトの痴態をみて既に高ぶっていたスガタ自身も先を滑らせていて、スガタの頬もタクトと同様熱く昂揚していた。
「スガタ好き、好きだ…!」
「僕もだよタクト…愛してる…」
ポロリと涙を零しながらいうタクトに、スガタも愛しくてたまらない声でささやいた。そっと手をタクトの後ろに回して入り口を広げると、ぬめる自身の先をそこにあてがう。何度かぬるぬると前後させているとタクトの方が我慢が効かなくなったようで、腰を深く落としてスガタを受け入れた。
「あっ!…ん、んん…ッ」
ぐぐっとそのまま最後まで腰を落としたタクトの中はスガタの形に押し広げられて、タクトの口からたまらず声が漏れた。
はあはあと熱い息を何度も吐き出して、なじむのを待つ。スガタも暖かく絞めつけてくるタクトに腰を震わせた。
「動くよ…いい?」
「うん、うん…いいよ、早く…もう、僕イきそう…んあ、アッ」
タクトの言葉を最後まで聞く前にスガタは下からタクトを揺すぶり出す。徐々に大きく突き上げだして、揺れるタイミングで声を我慢しながらも甘く喘ぐタクトの声を聞きながら、奥歯を食いしばる。
タクトの中は熱く絡んでくるようで、たまらない。普段と違った場所で行為に及んでいるせいか、それともタクトの抑えきれない喘ぎ声に当てられたのか、スガタも迫る射精感をやり過ごそうとタクトの唇に噛み付くようにキスをする。
「ふ…ぅん、んっ!んっ」
しかしそのキスでタクトは限界を迎えてしまい、勢い良くスガタの腹へ欲望を吐き出した。
シャツ越しにじんわりと肌に伝わる精液の熱さと、達したことでひどく伸縮した中に誘われるようにスガタも射精する。
「あ…、スガタ…ぁ」
「タクト…!ん…あッ」
イったあとの気だるさにタクトはスガタの胸に顔を埋め、そんなタクトの髪を優しくすきながら、スガタはもう陽が落ちてしまった窓の外に視線をやった。
こんな幸せが、いつまでも続けばいいと思いながら。
「…あ、ごめんスガタ…これ、どうしようか……シャツ」
「ん?いいよ、タクトのシャツを借りて帰るから」
「え゙っ」
「冗談だよ」
END
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